【読書レビュー】アルケミスト 夢を旅した少年【星の王子様に並ぶ必読の名著】

2019年10月20日

【レビュー】アルケミスト 夢を旅した少年【星の王子様に並ぶ必読の名著】

こんにちは

yoshi(@yoshiblogsite)です。

人生観を変えるかもしれない禁書5選【読書の秋】」で紹介したうちの1冊、「アルケミスト 夢を旅した少年」のレビュー記事を書こうと思います。

文章の引用から若干のネタバレを含むので、未読の方はぜひ「アルケミスト」を読んで自分なりの感想をもってから読んでいただけるといいかもしれません。

「アルケミスト」はどんな著者のどんな本か?

パウロのアルケミストは「星の王子様の都市伝説的解釈【サン・テグジュペリ】」で紹介した、あのサン・テグジュペリの星の王子さまに並んで世界中で高評価されている童話です。

パウロはブラジルの作家で、1988年に出版された原著はポルトガル語で書かれています。

パウロは3年間世界中を放浪し、その後歌の歌詞を書く作詞家になりましたが反政府運動の嫌疑がかけられて投獄されてしまいました。

釈放されてからはレコード制作に携わったものの、突如すべてを投げ捨てて再び世界中の放浪の旅にでました。

この旅によってパウロは作家としての基礎を築いたそうです。

世界中を放浪したパウロだからこそ見えていた(感じ取っていた)世界観が物語として語られている本です。

作家としての実力はあったものの、マーケティングが下手だったのでパウロの作品が世の中に広まって売れるには時間がかかりました。

そんなパウロ・コエーリョは世界中で最も多くの人に読まれている50人の作家の一人で、今回紹介する「アルケミスト 夢を旅した少年」は10年に1冊出るか出ないかの名著となっています。

世界観としては羊飼い、教会、夢、占い師、王様、クリスタル、砂漠、オアシス、錬金術師、エジプトのピラミッド、風、太陽、そしてアラーが出てきます。

日本人は世界中の他の国々と違ってユダヤ、キリスト、イスラム教について詳しくないので、ユダヤ教〜キリスト教〜イスラム教という3宗教をざっと知ってから読むと、より面白いかもしれません。

30分でざっと知れるオリラジ中田さんの動画をはっておくのでよかったらどうぞ。(深堀りしたい人は旧約&新約聖書・コーランを読むといいでしょう。)

僕たちが忘れかけている世界の根源について書かれている

全体の流れとしては、普通の日常からだんだんとスピリチュアル色が強くなっていく物語です。

そして、運命は勇気ある選択によって変えられることが書かれています。

前半【モラトリアムフェーズ】

前半は現代人にもよくある「なんとなくしたモヤモヤ」フェーズです。

自分の人生を生きられていない、自分の運命はこれじゃない感。

もっと他に自分が生まれてきた意味はあるだろう感。

そんな内容が書かれています。

多くの人が共感しやすく、そして受け入れやすい内容だと思います。

占い師との会話のあと、少年はがっかりして休憩します。

そのときの1シーンが印象的だったので引用しておきます。

彼にはいつも新しい友人ができたが、すべての時間を彼らと過ごす必要はなかった。神学校にいた時そうであったように、同じ友人といつも一緒にいると、友人が自分の人生の一部となってしまう。すると、友人は彼を変えたいと思い始める。そして、彼が自分たちの望み通りの人間にならないと、怒りだすのだ。誰もみな、他人がどのような人生を送るべきか、明確な考えを持っているのに、自分の人生については、何も考えを持っていないようだった。

少年が一人で休んでいるときの1シーン

今も昔も、他人の人生に口出ししたがる人は多いですが、自分の人生に口出しをしようとする人は多くありません。

その後少年は王様と会いますが、王様は少年の読んでいた本を読んでこんな会話をしました。

「それはこうじゃ、人は人生のある時点で、自分に起こってくることをコントロールできなくなり、宿命によって人生を支配されてしまうということだ。それが世界最大のうそじゃよ」

王様と少年の会話

人はいつしか人生を支配されてしまい、変えられなくないという嘘を信じるようになってしまうと。

物語の中にもそういった人たちが出てきますし、現実世界でもそういった人たちは非常に多いですよね。

夢を諦めた老人との会話は、多くの人が共感する内容ではないでしょうか。

でも実現したら、それが自分をがっかりさせるんじゃないかと心配なんだ。だから、わしは夢を見ている方が好きなのさ。

わしは何も変えたくない。どうやって変化に対応したらいいかわからないからだ。わしは今のやり方に慣れているのだ。

老人と少年の会話

夢を諦め、夢は夢のままにしておきたい人は多いでしょう。

変化を嫌う人も多いでしょう。

しかし、物語の主人公の少年は諦める選択はしませんでした。

中盤【心の声に気づき始める】

中盤は「前兆」という心の声に気づき始めるフェーズです。

あなたも「心の声」は聞こえたことがあるのではないでしょうか。

何かを選択しようとした時に、もし間違ったほうを選ぼうとすると頭の中で物凄い警鈴がなっていることは、僕ですら経験していることなので多くの人が経験していることでしょう。

そんな「心の声」を半信半疑ながらも受け入れていく物語が書かれています。

そして、マクトゥーブという「過去も未来もすべてのことはすでに書かれている」ということ、「神はそれを書き換えられるときにしか手助けしない」ことが頭出しされていきます。

時間には過去も未来も今もなく同時に存在するといわれる概念」で、この世界は仮想現実でありすべてがすでに決定されているという概念を書きましたが、オリジナルの概念は聖書でしょう。

砂漠にて戦争が始まり、オアシスに住む人たちの多くが心配している中で、その心配をしていないらくだ使いがいました。

そのらくだ使いとの会話が面白いです。

「私は食べている時は、食べることしか考えません。もし私が行進していたら、行進することだけに集中します。もし私が戦わなければならなかったら、その日に死んでもそれはかまいません。なぜなら、私は過去にも未来にも生きていないからです。私は今だけにしか興味を持っていません。もし常に今に心を集中していれば、幸せになれます。砂漠には人生があり、空には星があり、部族の男たちは人間だから戦う、ということがわかるでしょう。人生は私たちにとってパーティであり、お祭りでもあります。なぜなら、人生は、今私たちが生きているこの瞬間だからです」

少年とらくだ使いとの会話

最近よく聞かれるようになった「今」を生きるという概念。

仏教、マインドフルネス、瞑想といった文脈でもよく聞きますよね。

この概念は世界の真理の1つでしょう。

少年が世界の根源に到達する前に、命を賭けた賭けに出ます。

毎日は、生きるためにあるか、またはこの世からおさらばするためにあるかのどちらかだった。すべては一つの言葉にかかっていた。それは「マクトゥーブ」だった

死の淵に立たされた少年の1シーン

しかもこの賭けは、少年自身がみた予言をもとにしているのでそうそうできる賭けではありません。

この賭けに出ることができたのは、少年に愛する人ができたからでしょう。

愛する人のために、少年はこの賭けに出る勇気を手に入れることができました。

そして半信半疑だった超常への考えが確信に変わっていきます。

後半【世界の根源に到達する】

少年は自分の心の声と対話をします。

「夢を追求する一瞬一瞬が神との出会いだ」と少年は自分の心に言った。「僕が真剣に自分の宝物を探している時、毎日が輝いている。それは、一瞬一瞬が宝物を見つけるという夢の一部だと知っているからだ。本気で宝物を探している時には、僕はその途中でたくさんのものを発見した。それは、羊飼いには不可能だと思えることに挑戦する勇気がなかったならば、決して発見することができなかったものだった」

少年と心の声との対話

後半は「心の声」の存在や「神」の存在を信じ、少年は超常的な力を身につけていきます。

神とは世界の根源ですね。

仏教でもある概念です。

ワンネスとかアカシックレコードとも言われますね。

1は全で全は1であるというやつです。

大いなる魂がわしに語ったところによると、最大の問題は、今までのところ、鉱物と植物だけしか、すべては一つだという事実を知らないということだそうだ。

太陽と大いなる魂の会話

お金についても重要なことを話しています。

「でも、もし死んでしまったら、それが何の役に立つのだね?」と錬金術師は答えた。「おまえのお金でわれわれの命が三日間だけ助かったのだ。お金で命を救えることは、めったにないよ」


錬金術師と少年の会話

本当に大事なときに、お金より命を選べる人は賢人でしょう。

心の声に耳を澄まして運命に沿えば宇宙が協力してくれる

「アルケミスト 夢を旅した少年」は、そのタイトルの通り夢に従って少年が旅していく物語です。

アルケミスト、つまり錬金術師は魔術師であり、心の声に耳を傾けて自らの運命を生きた人でしょう。

人が死ぬとライフストリーム的なものに帰るという概念は多くの宗教、都市伝説、心理学などに見られます。

僕たちはそこから生まれた枝葉であり、僕たちがより良くしようという経験がその「1つ」に帰ったときにその「1つ」は成長するそうです。

だからこそ僕たちそれぞれの運命を本気で生きた時、全でありその「1つ」である宇宙は全力で協力してくれます。

困難が訪れて諦めそうになるかもしれませんが、それは本来乗り越えられるものです。

宇宙が僕たちを育て、僕たちが宇宙を育てます。

心の声に耳を傾け、それに真剣に向き合って歩めば、それは自分が充実した輝く人生をおくれるのは当然です。

しかしそれは世界の根源、大いなる魂の成長のためであり、全が1であり1が全であるため全世界のためにもなるようです。

そんな話を、子どもにもわかりやすく童話の形で語ってくれるのがこの「アルケミスト 夢を旅した少年」でした。

「心の声」はきっと誰もが聞いたことがあるでしょう。

僕ですら聞いたことがあります。

そしてそれに従うかどうか、選択のタイミングがあったこともみなさん経験しているでしょう。

過去の経験を振り返ったとき、心の声に従うと人生うまくいくと思いませんか?

まとめ:【レビュー】アルケミスト 夢を旅した少年【星の王子様に並ぶ必読の名著】

いかがでしたでしょうか。

最後の結末はぜひ本を読んでいただきたいですが、非常にスピリチュアル的です。

きっと宗教や神話といったスピリチュアル系、考古学、歴史やスペイン〜エジプト辺りの地理の背景をある程度知っていると、より深く読み込める小説だと思います。

しかし、それらがなくても十分面白い小説でしょう。

子どもから大人まで、世界中で楽しく読める小説で、実際日本で嵌められてしまったあの日産のカルロス・ゴーンさんに代表されるような、多くのビジネスマンの愛読書ともなっています。

人生で諦めてきた人にとっても自分の人生を生きるきっかけになりうる作品とのことでしたが、たしかにそうだと思います。

もし心の声を忘れかけている人がいたら、もう一度自分の心の声に耳を傾けてみてはいかがでしょうか。

ちょうど人生の転機に差し掛かっている方、いま一歩決断する勇気を持てない方にもおすすめの一冊です。

正直この品質の作品がKindle版で500円程度というのは、安すぎると思いました。

このブログでは毎日更新で「過去の自分が知りたかったこと」をジャンル問わず書いているので、もしあなたの役にも立ちそうなことを書いていたらまた読みに来てください。