【読書レビュー】「あれ、私なんのために働いてるんだっけ?」 と思ったら読む 最高の生き方【働く理由】
【読書レビュー】「あれ、私なんのために働いてるんだっけ?」 と思ったら読む 最高の生き方【働く理由】
こんにちは
44(@yoshiblogsite)です。
今回はムーギー・キムさんの「「あれ、私なんのために働いてるんだっけ?」 と思ったら読む 最高の生き方」を読んだので僭越ながら書評をしようと思います。
どんな本?
いわゆる超エリート層の中で働いてきた著者による「あーこういう人いるよね」という変な人紹介から始まります。
エリートだろうがフツーの会社だろうが人間の性質は変わらないことがわかると思います。
そして、そんなエリートたちも「あれ、私なんのために働いてるんだっけ?」という悩みに直面し、ムーギー・キムさんに相談がくることも多いらしいです。
既にお金をたくさん持っているクライアント企業や投資家を、さらに儲けさせるその仕事が、果たして価値がある仕事なのかどうか、本当に人生をかけてやりたいことなのかどうかに、思い悩む人々が非常に多いのである。
そうした経験もあって、どうすれば価値を見出すことができるのだろうか、というアイデアを集めるためにムーギー・キムさんなりの仮説を持って、
・山極壽一氏(京都大学総長) ゴリラに学ぶ幸せのヒント
・島薗 進氏(東京大学名誉教授) 宗教が人に与えるもの
・中島義道氏(哲学塾主催) 自由意志や思考を疑う重要性
・岸見一郎氏(『嫌われる勇気』著者) 理想を掲げ自分を変えるアドラー心理学
・中野信子氏(脳科学者) 最新の脳科学から見る幸福感の秘密
にインタビューをしにいって、その答えを模索します。
どんな人におすすめ?
著者のムーギー・キムさんの言葉を借りれば
「なぜ自分はこんな反応をしているんだ?これは本当に自分の意志なのか?」と自問する習慣がつけば、本書の第一の目的は達成されている。
そして何か行動や意思決定をするたびに、それが〝自分が選択した価値観〟とどのように紐づいているのかをイメージする習慣が備われば、本書の第二の目的も達成されたと言えよう。
ということなので、タイトル通り
「あれ、私なんのために働いてるんだっけ?」
と思ったときにさらっと読むのがおすすめです。
どんな読み方がよさそう?
本の構成は下記のような目次になっています。
- プロローグ
- 第一部:幸福の相対性理論
- 第二部:最強の教養から学ぶ、人間の行動原理
- 第三部:価値ある仕事、意味ある人生を選択しよう
- エピローグ
と、5部構成になっています。
プロローグは問題提起なので、ここに共感できなければこの本は読まなくていいと思います。
第一部は「あーこういう面倒な人いるよね」的なところなので共感できる人もいれば、逆に怒っちゃう人もいるかも知れません。
基本的に「こいつはここがだめ、あれがだめ」と批判しまくるだけで、中身は薄いので読み飛ばしてもいいと思います。
第二部は「最強」っていうのは単純にインパクトを出すために誇張しているだけなので鵜呑みにしないように注意しつつ、「なるほど、こういう視点があるんだなぁ」とアイデアが収集できるかもしれません。
逆にすでに上で紹介したような各領域の専門家たちの教養を学習済みの人にとっては、内容が薄く感じられるかもしれません。
第三部はそれらを受けてムーギー・キムさんなりの答えを提案している箇所ですね。
プロローグと第二部を読んで自分なりの答えを作ってからムーギー・キムさんの意見をみると面白いと思います。
そしてエピローグはムーギー・キムさんなりに着地した価値観の紹介ですから、ここも時間があれば読むくらいの感覚でいいんじゃないかなと思います。
あと、著者が特に伝えたい文章は青くマーカーがつけられているので、そこを中心に読み進めていくとサクッと読めると思います。
ポイント3つ紹介
学べるアイデアはいろいろとありましたが、ここでは3つだけご紹介します。
- 10大バリューレバーと幸福関数
- ホルモンと幸福
- リーダーの仕事は魅力的な価値観の提示
10大バリューレバーと幸福関数
- 生理的欲求・安全
- 闘争・競争
- 愛情・帰属
- 承認欲求(外的自尊心)
- 貢献欲求(生産欲求)
- 学習・成長
- 遊び(没頭・熱狂)
- 認知欲(哲学・信仰)
- 美術・芸術(感動)
- 生きがい
数がマズローの5段階に比べて増えているのは、マズローが〝自己実現〟という大きな箱の中に放り込んでしまっていたものの細分化という側面もある
マズローの5大欲求は時代遅れの古いものであるとします。
その代わりに10個の価値観の引き金となる欲求をあげ、それらを変数とした幸福関数を考えていこう、というアイデアです。
第一部で紹介された困った人たちは、これらに極端に振り回されているから意識したらいいかもねって提案です。
10個の変数という数はともかく、幸福関数という概念は理系の僕にとってはしっくりくる考え方だったのでイチオシです。
「幸福論は自ら開発しなければならない説【幸せとは何か】」でも書いたように「自分の幸福論を開発する」というアイデアはとても現代にあっているなと思いました。
ホルモンと幸福
次は第三部で脳科学的視点からみたときのアイデアです。
幸福にはいろいろなタイプがあるとします。
- セロトニン型幸福
- オキシトシン型幸福
- テストステロン型幸福
- エンドルフィン型幸福
- ドーパミン型幸福
ホルモンというのは、昔「人格すら変える!ホルモンで自己コントロール能力を向上させよう」でも書きましたが自己コントロールをするのに欠かせない概念だと思っています。
それが別の視点から整理されていたので面白かったですね。
ホルモンを制するものは人生を制す。
リーダーの仕事は魅力的な価値観の提示
言い換えれば、今やっている仕事に強いモチベーションを感じるためには、まずは何が大切なのかという価値観を形成する必要があり、その仕事を、自分の価値観の重要なものに繫がるように作り替えることで、それらの仕事に意味を付与できるということなのだ。だからこそ、リーダーの仕事は求心力のある価値観をもち、それを提示することといえよう。結局のところ、人が価値を実感する仕事を創り出すのが、優れたリーダーの役割なのである。
自分の価値観とか幸福論は自分でカスタマイズしていかなければならないのですが、実際ほとんどの人は脳の構造的に「他人の価値観」や「他人が提示する幸福論」を鵜呑みにしたがります。
それは省エネですし、強者につけば生存可能性も上がって合理的だからかもしれません。
ということで、「リーダー」という役割を考えたときには魅力的な価値観の提示をして迷える仔羊たちを導くということになるんだなぁとしみじみ思った次第です。
それって結局迷える仔羊は他人が作った「偽りの」幸福や価値観に生きる宿命だし、本人たちもむしろそれを望んでるのかーと考えさせられるところでもありました。
まとめ:【読書レビュー】「あれ、私なんのために働いてるんだっけ?」 と思ったら読む 最高の生き方【働く理由】
いかがでしたでしょうか。
KindleUnlimitedで無料で読めたのでサクッと読んでみました。
ちなみに読後に自分の価値観を「幸福論は自ら開発しなければならない説【幸せとは何か】」にまとめてみました。
正直いうと全編が面白い本というわけではなかったですし、中だるみもありますが考えを整理するのに役立つアイデアがいくつか見つけられたので、0円で読んだ割には良い本だったと思います。
このブログでは毎日更新で「過去の自分が知りたかったこと」をジャンル問わず書いているので、もしあなたの役にも立ちそうなことを書いていたらまた読みに来てください。