孔子の論語から学ぶ情報の取捨選択のやり方【選択と実践】
孔子の論語から学ぶ情報の取捨選択のやり方【選択と実践】
インターネットの普及で小さい子から老人まであらゆる世代の人たちが、膨大な情報にすぐにアクセスできるようになりました。
そしてその情報はすぐに流れ、時代はどんどん変化していきます。
この大変動の世の中を直感で波乗りできる天才的な人もいますが、わたしも含む多くの人はそれはできません。
情報の取捨選択が適切にできず、失敗や後悔もしやすく、波乗りもうまくできません。
今回の記事では天才でなくともそれに対処する方法を、孔子から学んでいきたいと思います。
天才ならずとも情報の取捨選択をし時代の波乗りをする方法
孔子はこんな言葉を残しています。
「蓋し知らずしてこれを作る者あらん。我はこれなきなり。多く聞きてその善なる者を択びてこれに従い、多く見てこれを識す。知の次なり。」
孔子
カンタンに説明すると、
「世の中には大した知識もなにもないのに、直感だけですごい見解を出せる人がいます。でも私の方法は違っていて、多くの意見を聞きその中から良いものを採用します。見聞は広げておいて記憶に留めておきます。この方法は最善ではないかもしれませんが、次善の策じゃないでしょうか。」
といった内容です。
直感だけで最適解にたどり着けなくとも、この方法は現実的な方法だと思います。
要点は
- とりあえず聞いてみる
- 疑問を感じたらそのまま記憶に留めておく
- 納得したところだけ実践する
の3ステップです。
これを実践すると
「多く聞きて疑わしきをかき、慎みてその余を言えば、則ち尤め寡し。多く見てあやうきをかき、慎みてその余を行えば、則ち悔い寡し。」
孔子
つまり
- 納得した所しか発言しなければ、つまらない失敗をしなくなる。
- 納得した所しか実行に移さなければ、後悔することも少なくなる。
と言っています。
とりあえず聞いてみる
はなっから聞いてみることすらしないのはもったいないです。
そもそも知らなければ考慮することもできませんし、選択することもできません。
子路との問答で、「知とは知っていることは知っている、知らないことは知らない、という限界をはっきり認識することだよ。」と孔子も言っています。
この限界を広げることも、その境界を見定めることも、正しい情報の選択をするにはともに重要なことです。
疑問を感じた所はそのままにしておく
とはいえ疑問を感じたり納得できない範囲は出てきますよね。
それは一旦そのままにしておきましょう。というのが孔子からのアドバイスです。
早とちりで恥ずかしい発言をしてしまう経験はだれしもあると思います。
その原因はこれです。
そして、それに対する対策はいったん記憶に留めておく、ということです。
納得したところだけ実践する
自分の中で疑問を感じていたり納得していないのに、それに対してそのまま発言するとつまらない失敗をしてしまうよと言っています。
また、疑問を感じていたり納得していないのに行動に移すと、後悔することも多くなるから気をつけようとも言っています。
納得していないし疑問を感じて引っかかるところがあるけど焦って何かに手を付けたり、反射的に発言したりしそうになったときは気をつけましょう。
見切り発車で行動してもいいですが、そうするとつまらない失敗や後悔も多くなります。
もしそれを減らしたいと思っている場合、このアドバイスは非常に役立つ指針ではないでしょうか。
孔子の論語から学ぶ情報の取捨選択のやり方【選択と実践】まとめ
「孔子の論語から学ぶムダな焦りを止める方法【人生の指針】」でも書いたように孔子自身も失敗の多い人生でした。
しかしそこから学びを得て成功につなげていきました。
どうしても見切り発車したい人は見切り発車でもいいと思います。
ただし失敗し、後悔する確率が高いことは目に見えています。
しかし、現代はそれによって死ぬことはまずありません。
なので、そこではじめて「失敗を減らす」とか「後悔をしたくない」という感情が強くなったときに、孔子の言葉を思い出してみてはいかがでしょうか。
匹夫の勇と君子の勇という考えがあります。
命知らずは匹夫の勇です。
孔子の説くような慎重さも併せ持った勇気が君子の勇です。
最初から君子の勇を目指すのは難しいかもしれません。
しかし匹夫の勇で失敗しても、そこから学んで成長していけばいいのです。
現代では死ぬことはなかなかありませんから。
情報のあふれる現代ですが、2500年以上前の孔子のこの次善の策は現代でも通用する方法だと思います。
情報の取捨選択の際には「自分は果たして納得しているか。疑問を感じているところはないか。」よく注意して自分の心を俯瞰してみましょう。
きっと成功率が上がり、後悔することも少なくなると思います。