サブリース系の新築ワンルーム投資のメリットデメリット

2019年6月16日

サブリース系の新築ワンルーム投資のメリットデメリット

サブリース系の新築ワンルーム投資のメリットデメリット

かぼちゃの馬車やレオパレス21など世間を騒がせて一段落したサブリース問題ですが、まだまだ多くの不動産会社がおこなっています。

今回は新築ワンルームマンションにフォーカスしてサブリースの問題を考えていきましょう。

結論からいえばサブリースがあうかどうか、新築ワンルーム投資があうかどうかはあなたの経営方針によります。

サブリースのメリットとデメリット

まずサブリースとはなにかまとめてみると家賃の10〜20%を払うことで

  1. 家賃保証される
  2. 家賃の管理など部屋の管理を任せる
  3. 入居者のトラブルなどの管理を任せる
  4. 空室時の修繕を任せる
  5. 入居募集の広告宣伝も任せる
  6. 不動産のプロに管理を任せる

ということです。

本業の片手間に不動産をやろうとしている人にとって、これはかなり嬉しい提案のはずです。

なぜなら不動産について細かいお金の計算や、入居者のトラブル管理、空室時の広告宣伝費を払っての入居者募集や部屋の修繕費などあらゆる仕事を任せるのとあわせて家賃保証されるからです。

プロ並の知識は最低限必要ですし、それに加えて不動産のセンスや経験があるといいんですが多くの人はそれらを持っていません。

つまり適切な判断を下すためには必要なものが足りないという状態です。

一方で自分で経営できないので収益を最大化することは不可能になります。

安定を取るか収益を最大化する方を取るか。人によって判断が大きく変わるところですね。

サブリースが向いている人向いていない人

そういったことを総合的に判断すると、

  • 不動産や税金、資産運用などマネーリテラシーがプロフェッショナルレベルではない人
  • これから詳しく勉強する気も時間もない人
  • 煩雑なことはすべて外注して本業に集中したい人

このような条件に当てはまる人はサブリースの方が向いていると思います。

ただし、自分がコミットする量が少ない分「不動産会社に踊らされる」という可能性があるリスクは認識しておきましょう。

新築ワンルームマンション投資をする前の注意点

ただし新築ワンルームマンション投資の場合は、よく言われているように「工事費」が価格に上乗せされてるので購入した瞬間に20%値下がりが確定します。

中古での物件価値としては「新築購入金額の20%オフ価格」になるわけです。

つまり、安く買って高く売る商売の原則に則って「購入金額 < 売却価格 + 家賃収入合計」にならないと赤字です。

具体的には2500万の新築物件なら、20%オフが2000万なので、その物件価値自体は2000万と考えることができます。

なので基本的には購入してすぐに売ろうとした場合に「確実に損します」。なぜなら「購入金額 < 売却価格 + 家賃収入合計」に当てはめてみると

2500万 < 2000万 + 0万

が成り立たないからです。500万円の赤字ですよね。

これは肝に銘じておきましょう。

多くの人はこんなビジネスは破綻していると考えるのですが、次に時間軸を考えます。

長い年月持っていると、その分家賃収入が入ってきます。

たとえばこのくらいの価格帯の物件だと家賃が9万前後であることが多いので9万で計算してみましょう。

2500万で買ったとして、普通は銀行のローンで支払いますよね。

そのとき家賃収入は「元金+利息」で支払っていきます。

家賃を払うのは入居者で、この元金としての支払いが自分の利益で、利息は銀行の利益です。

売却時には「売却価格 – 諸経費 – 残債 = 利益」となります。

9万だと1年間で108万円です。このうち元金は最初の4〜5年は半分〜利息が多いくらいでしょう。

サブリースの場合は10%程度がサブリース会社に取られます。

とすると年間50万くらい利益として入っています。

10年間だと500万円です。

東京都心部であれば余程のハズレ物件を買わない限り、10年間は物件価値を維持できるでしょう。(むしろ都心部であれば上がることもありますし、人によっては下がると予測する投資家もいますが、計算を簡単にするためにそれは置いておきます。)

つまり1年目での物件価値は2000万円、10年後も物件価値は2000万円です。

「購入金額 < 売却価格 + 家賃収入合計」に当てはめてみると

2500万円 < 2000万円 + 500万円

なのでとんとんになります。

時間軸を判断視点に加えることで、家賃収入のうちの元金の積立分が利益になるわけです。

もちろん実際は諸経費や税金がかかってくるので、500万円の元金の利益まるまるが得られるわけではなく100万〜200万円くらいになることもあるでしょうし、逆に中古不動産のバブルがきて売却価格が2300万円くらいだったときは10年後の売却でもっと利益になることもあります。

一方10年後20%オフが維持できず30%オフになっていたら、物件の価値は1750万円になっているので10年後の売却でも赤字になります。

2500万円 < 1750万円 + 500万円

が成り立ちませんよね。買ってすぐに売却したときの500万赤字よりもましになりましたが、250万円の赤字です。

借金と投資【時間軸を考える】

不動産投資は株式投資やFXなどよりも一層事業としての側面が強いです。

金額が非常に大きく、大抵の人が借金をして始めます。

株ではよく余裕資金でやりましょうと言われますが、不動産ではそれが言われません。

不動産投資では、銀行から2500万円を年率2%の金利で借りて不動産を2500万円で購入し、年率2%以上の利益を出せば黒字ですよね。

つまり年間50万円の利益で丁度とんとんです。

株で例えるなら、カードローンで500万円を年率2%の金利で借りて株を500万購入し、年率2%以上の利益をだすということと同じことをしています。

ちなみに国も言っていますが投資信託は20年長期・分散・積立=ドルコスト平均法の活用でバランシングしながら運用すると2%~8%の利益に落ち着く商品なので、銀行系カードローンで年率2%より低い金利で借金できるなら、20年間投資信託で長期・分散・積立投資を行うことで20年後の利益が見込める状態になります。

当然20年運用しても2%の利益が出ないリスクもあるので、それを恐れて「余裕資金で」という話ですが、お金の計算ができてその上でリスクが低いと判断する人は利率の差益も鑑みた上で「余裕資金」として借金して投資します。

もし銀行から借りた利率よりも利益が出ない場合は赤字になります。

特に新築ワンルームマンションの場合は購入して即赤字=持ち出しが発生する可能性が高いです。

10年以上は赤字を積み重ねる覚悟がないとできないと思います。

理由は上で話したように、大抵の物件において損益分岐点が新築ワンルームの場合10年後より後にくるからです。

そして損益分岐点を通過したら売却することで、そこで初めて利益を得られるのが新築ワンルームという商品です。

この損益分岐点までに発生する変数となることがらは多く、それについて書いていきます。

損益分岐点までに発生する変数【リスクとリターン】

新築ワンルームの場合損益分岐点は10年以上先になる可能性が高いです。

その場合に発生するリスクとリターンを考えてみましょう。

たとえばワンルームマンションの場合入居期間は3年をめどに入居者の入れ替わりが発生します。

そのたびに修繕費や入居者の募集、広告宣伝費や不動産仲介会社への手数料などが発生します。

このような変数としては無限にありますが、考慮するに値する程度の発生確率が考えられる変数としては下記があります。

  1. サブリースの強制解除の可能性
  2. サブリース提供会社の業績
  3. 家賃の変動
  4. マンションのある街の人口動態
  5. 入居者の居住期間
  6. 入居者間トラブル
  7. 訴訟トラブル
  8. 家賃滞納リスク
  9. 敷金礼金の変動
  10. 広告宣伝費にかかる金額
  11. 災害リスク
  12. インフレの程度
  13. 銀行の貸出金利の変動
  14. 不動産を買える人口
  15. 修繕積立金の変動
  16. 自分自身の所得変動による信用力の変動

サブリースする場合はこれらのリスクをサブリース会社に半分負担してもらうことが可能です。

サブリースしないメリットは、すべてのリスクを抱え込みますが、経営手腕によっては収益を最大化できるという点です。

当たり前ですが不動産投資は経営なので、数え切れないほどのリスクを総合的に判断して最終的にどんな方針で行くか、というのを決定するのはオーナーです。

オーナー自身が働いてリスク管理したり、顕在化したリスクにたいして対処を講じたりしていく作業量が多くその質が高いほど収益を最大化できます。

一方でダメダメな経営者だったら、リスク管理はできず顕在化したリスクに対応することもできずにどんどん悪化します。

例えばサブリースに出すと入居者が住居に関する訴訟を起こしたときの対象はサブリース会社になることが多いですが、そうでない場合はオーナー自身が対応する必要がありますし、その場合は弁護士費用や裁判費用などの経費がかかってきます。

入居者が3年はいると思っていても半年でどんどん入れ替わってしまうというリスクもありますが、このリスクもサブリース会社がかぶるのかオーナーがかぶるのかで変わっていきます。

敷金礼金をそれぞれ1ヶ月分貰うとすると、例えば家賃8万円の物件なら1ヶ月空室でも大丈夫と思うかもしれませんが、実際は入居者を集めるための広告宣伝費だったり仲介会社に払うお金がかかってくることもあります。

サブリースをつける必要がないこともある

入居者管理についてはだいたい家賃の5%程度で請け負ってくれる管理会社が多いので、サブリースではなくしてそこの管理分だけ払うのもありです。

そうするとサブリースだと10%だったとすれば浮いた5%の分は自分の利益になりますし、家賃保証はなくなりますがそもそも新築や築浅だと空室が継続する可能性はかなり低いです。

サブリースは10年や長いものだと35年家賃保証で、要するに「入居者が何ヶ月もつかない」というリスクヘッジのための機能です。

一方でサブリースが強制解除されるというリスクもあるわけです。

考えうるリスクを考慮して、それらがどの程度発生すると見込むのか、リスクヘッジとして自分の資産からの持ち出しをするのか、オーナーの経営方針によって千差万別で正解はありません。

  • サブリースをつけて全部任せる
  • サブリースをつけず管理だけつける
  • すべて自分でやる

ざっくりと3種類の方針があり、さらにその中でもどこに任せるのか、という判断が入ってきます。

サブリース系の新築ワンルーム投資のメリットデメリットまとめ

判断材料は自分の知識と経験です。

外注の程度は本業も含めてどこに自分の時間とお金をコミットしたいのかで選ぶしかありません。

不動産投資にコミットするなら、全て自分でやるのがおすすめですし、本業や別の副業にコミットするならその程度によってサブリースや管理をつけるのがおすすめです。

一概にこれにすべきと断言できるということはないので、自分の状況、目的、社会情勢を総合判断してどういった経営方針で進めていくのかを考えて投資しましょう。

ただし、上で書いたように新築は大抵が買った瞬間に20%値下がりしますから即売却すると赤字ですし、そもそも建築費が上乗せされてる分高すぎて利息の支払いによりキャッシュフローはマイナスになりますので、正直あまりおすすめしません。

それなら築浅の中古のほうがいいと思いますよ。