【読書レビュー】自分を愛せなくなってしまった人へ―自らに光をともす29の方法【深すぎる傷を癒やせるが閲覧注意】
【読書レビュー】自分を愛せなくなってしまった人へ―自らに光をともす29の方法【深すぎる傷を癒やせるが閲覧注意】
こんにちは
44(@yoshiblogsite)です。
今回は「自分を愛せなくなってしまった人へ―自らに光をともす29の方法」を読んだので僭越ながら書評をしようと思います。
いろいろと相当ヘビーなので、ショックを受ける人もいるかもしれませんから、この先を読み進めるかは自己責任でお願いします。
心の準備がないかたはブラウザバック推奨。
一旦は、心に深すぎる傷を負ったときに読んだらいい本として、この本を頭の片隅においておけばOKです。
深すぎる傷を癒やす方法が解説されているが理解難易度は高い
著者はアメリカのTeal Swanという方で、「第3の目の開眼方法」という動画からも分かる通りスピリチュアル系の方です。
この時点でもう読む気をなくす方もいるかもしれませんね。
アンチスピリチュアリストは多いですからね。(という僕自身もアンチスピリチュアリストでしたからよくわかります。昔の僕ならこの瞬間ブラウザバックしますね。)
著者自身が深すぎる傷から立ち直ってきたので、それを癒やす手順が載っていますがいかんせん原著が英語でそれを訳したもののため、かなり直訳っぽい感じに訳されている上にスピリチュアルなワード&普通の日常からはかけ離れた超ハードで残酷な話が出てくるので、理解難易度は高いと思います。
また、前半は著者の経験談が載っていますがやや時系列がカオスなのでその点も注意深く読まないと混乱するかもです。
ただ、内容はかなり濃密でこの一冊から学べること、考えさせられることはかなり多いです。
2〜3ページごとに立ち止まって「人生とは」みたいなことを考えたくなるかもしれませんし、哲学的な視点=現在自分が正しいと思っていることのアンチテーゼを投げかけて考えたくなってきます。
著者の壮絶な過去
で、この著者のプロフィールが壮絶です。
「さすがに創作だろっ」てほど(むしろ創作であってほしい)に、死んだほうが楽だというほどの残酷な目にあっています。
事実、「明日自殺できると思うことを希望にして」毎日を生きてきたそうです。
この時点で普通の人生を送ってきた僕みたいな人間からすると理解の域を超えますが、その思考プロセスから立ち直り、さらには愛を語れるまでに至った方法に興味を引かれました。
ということで著者のプロフィールをみていきましょう。
まず、生まれたときから超感覚(超能力、エスパー)を持って生まれました。
この人が持つ超感覚とは、
- あらゆるものが固体ではなく波動(エネルギーの振幅と振動)に見える
- オーラ(物質構造体の間で情報伝達する思考形態)の形や色や光がみえ、聞こえ、手触りがわかる
- オーラの応用で自分のエネルギーフィールドを使って他人を癒せる
- エネルギーフィールドを水を触るのと同じように簡単に感じ取れる
- 3種類の思考形態エネルギーがみえる
- 思考者のイメージを表すエネルギー
- 物体のイメージを表すエネルギー
- 思考自体を表すエネルギー
- これらによって幽霊と呼ばれるものを感じること、みること、触れ合うこと、対話することができる
- 人々の周囲に存在するガイドや天使を感じることができる
- 月の引力が地球を揺り動かしている音が聴こえる(地殻プレートが動く音さえも)ので満月はうるさい
- 他の部屋で話している声も聴こえる
- 高い波動の思考形態も感じ取れる=クレアオーディエンスの能力がある
- 色を味わえる
- 音が見える
- 普通の人が「空気」として認識している空白のスペースは存在しない世界に生きている
- 人に会うときは、骨・臓器・血管・神経がみえ、チャクラや経絡と言われるものもみえる
- その人のエネルギーが滞っているところもみえる
- その人の将来(習慣化された思考の延長線上の人生)がみえる
- 予知夢として戦争や自然災害がみえる
- アカシックレコードにアクセスできる
といったものです。
そして著者は幼い頃、他の人達もみんなこういった世界が見えているし、それができると思いこんでいたそうです。
やがてそれは「感覚統合障害」であったからだとわかったそうですが、なかなかですよね。
どう思いましたか?
そっ閉じする方も出てくるのではないでしょうか。
これがこの本のかなり最初のほうにいきなり出てくるのでちょっと面食らうかもしれませんね。
さて、彼女の両親はどう思ったでしょうか。
そうです、気味悪がって遠ざけました。
そして、まぁ普通の流れですが精神病だと診断されます。
その後、両親はこの「扱い方がわからない子供」を地域の「ドック」という50〜60代の男性を信頼し、面倒をみさせることが多くなっていきます。
この「ドック」ですが、表の顔は魅力のある礼儀正しい男なんですが、その実カルト教団に所属している小児性愛者で著者が6歳の時にレイプをします。
著者による記述を引用しておきます。
「私の六歳から十九歳までの経験を簡単にまとめてお話ししましょう。
私はカルト的な儀式で肉体的、性的に苦しめられ、レイプを受け、
食べ物を取り上げられ、三回の中絶を強いられました
(子供の父親だったドックの手によって行われました)。
また、サドマゾのポルノ写真を撮られ、
ガソリンスタンドのトイレで売春させられ、
ドックの家の地下室に閉じ込められました。
さらに、電気ショックを与えられ、縛られた状態で
アイダホ州南部にある溶岩洞の中に一晩中置き去りにされました。」
ここでいう父親というのは中絶した子どもの父親=自分をレイプした「ドック」のことですね。
さらにヘロインなどのドラッグの注射も頻繁にされていたそうです。
この小児性愛者はこれだけにとどまらず、他の子どもたちも捉えていて中には「追いかけっこ」で目の前で殺された子もいたそうですが、著者が逃げ出して十数年たってから警察が調べても物的証拠不十分で不起訴となっているそうです。
「まじかよ。野放しかよ。アメリカの警察どうなってんだよ。」と思うかもですが割とこういう未解決事件はよくある話のようです。
ユタ州こわ。
明日自殺することを希望に生きる毎日
このような生活をすると、「自分が悪いから罰を受けているんだ」という心理状況に入っていくそうです。
当然ながら本書で最も重要視しているキーワード「自己愛」をわがままだ、傲慢だと嫌悪するようになっていきます。
そもそも私は自己愛という考えが嫌いでした。無私無欲、自己犠牲、奉仕を大切に思う家庭で育ったために、自己愛というのは悪のように感じられたのです。自己愛は、私の美徳を破壊し、他人に愛されるすべてのチャンスを奪い取る悪魔のように思えました。
そして自殺願望と自傷行為に目覚めることになります。
毎日の希望は「明日自殺できる」という考えで、自殺がいざというときの手段になります。
ゾッとするかもしれませんが、私にとって、自殺行為がいざという時の手段になっていました。私は「明日自殺できる」と思いながら一日一日を生きていたのです。そう考えると少し気分がよくなり、その日できることに集中できました。
そして、自傷行為は苦しみから逃れるためにおこないます。
私は虐待者から、「罰を受けた時に感じる穏やかな気持ちは、自分の罪から救ってくれるキリストの光だ」と教えられました。
11歳の時から自傷行為にのめり込んでいきます。
それよって生じるエンドルフィンが痛みを和らげ、安心感と喜びを与えていたからです。それは、コデインやモルヒネのような鎮痛剤と同じ役割を果たしていました。エンドルフィンが大脳辺縁系(視床下部を含む部分)のオピオイド受容体に到達すると、人は安心や喜びや満足感を経験し、心が落ち着いて元気が出てくるのです。
身体が痛みを経験すると、あなたの脳はエンドルフィンを放出します。エンドルフィンはあなたをなだめて活力を与え、危害から逃げられるようにしてくれます。このように、自傷行為が私のネガティブな感情を和らげてくれました。それは、不安や罪悪感、憂鬱やストレス、感情の麻痺や敗北感、自己嫌悪や自尊心の低さ、完璧さへのプレッシャーに対する一時的な救済になったのです。
エンドルフィンはモルヒネの6.5倍もの鎮痛作用がある脳内麻薬ですが、自傷行為ではなくランナーズハイとかセックスとか鍼治療とか食事でも分泌されます。
決してエンドルフィンを出すために自傷行為が必要なわけではありませんので、やらないようにしてくださいね。
スピリチュアル系が苦手な人にも役立つ
僕はもともとスピリチュアルが「大嫌い」でした。(今は違います
いわゆる「科学的じゃない。再現性がない。使えない。時間の無駄。」ってやつですね。
でもそういう人でも役立つ本かなと思います。
このような残酷な人生を生きてきた人がいかにしてこの精神状態と向き合ってきたか、というのがこの本です。
さすがにフツーの人生を歩んでいてここまでのことを経験することはないですが、だからこそそこから這い上がった方法を知ることは人生のあらゆる面で役に立つと思います。
もし、「わたしは幸せだ!」みたいなアファメーション=修造のやってるようなことが全く効かない人であればなおさらその解決方法も載っているのでおすすめですね。
ガチスピ系の人には共感できるところが多いかも
なんとなくですがスピリチュアル系の能力を持っている人は大抵の場合幼少期に壮絶な人生を送っている気がします。
実は僕の嫁の家系は先祖をたどると巫女で、そのせいか知りませんがみなさん幽霊見えたりするガチスピ系で、やっぱり過去は嫁も母も祖母もみんな壮絶ですね。
僕の(それなりに大変な思いはしてますが)フツーの安定した人生とは真逆です。
なので、スピ系の人(や、その知人)であれば共感できる人も多いと思います。
スピリチュアル能力を持って生まれる→周りに理解されず毛嫌いされる→精神病と判断される→さらに毛嫌いされる→一人ぼっち→危険な目に合っても助けがない→さらに苦しみが襲う
こんな負のループで生きている人多いんじゃないかなって思います。
スピリチュアル能力なんて持ってない人大半ですからね。
僕なんて子供の頃に「小さなオジサン」すら見たことないくらいに霊感0です。
スピ系の人はほぼ確実に幼少期から少数派で村八分的な扱いを受けるので、自分のことを好きになれない人も多いと思います。
毎日自分を罰している人もいるかもしれませんし、それが正しいことだと思っているはずです。
でもどこかで満たされないと思っているでしょう。
そんな人にもおすすめの本です。
純粋無垢でまだ笑顔があった子供の頃の写真
著者が自傷行為から立ち直るのに使った手法の1つをご紹介します。
著者によると、こういった精神状態の人は自傷行為をいつも同じ場所でやるそうです。
儀式のようなものだそうですね。(ちなみにこの瞬間は衝動的になってるので止められない。
著者の場合はバスタブです。
コップを割って一番大きいガラス片を腕に突き立てて血を流すそうです。
で、それを止めるために自傷行為をする場所に自分がまだ幼い頃の笑顔の写真を貼ったそうです。
なぜならインナーチャイルドを受け入れるためですね。
再び、その日がやってきました。自分を傷つけたいという衝動に襲われたのです。
私は浴室に入って鍵を閉め、コップを割り、一番大きなガラス片を手にとりました。
そして浴槽の中に入り、小さな頃の自分の写真を見ました。
最初は、自分が感じた責任の重さに腹が立ちました。
私には安堵感が必要でしたが、写真の中の小さな子供は信頼し切った無邪気な目でまっすぐに私を見ています。
私はその信頼を裏切ろうとし、その無邪気さを打ち砕こうとしていました。
「自分自身にしていることは、インナーチャイルドにしているのと同じだ」ということを思い出した私は、自分がしようとしていることについて考えました。
そして、インナーチャイルドがニコニコしながら遊んでいる様子を思い浮かべたのです。
彼女の細い腕をつかんでガラス片を当てると、血が流れてきました。
彼女は泣きながら、自分の腕を私から引き戻そうとしています。
どうしてこんなことをされるのかわからなかったのでしょう。
自分が幼児虐待者のように感じられ、その行為の悲惨さに涙が出てきました。
その時、子供の時に奪われた純粋さや信頼と、再びつながることができたような気がしました。
大人の自分を傷つけることはできても、子供の自分を傷つけることはできなかったのです。
私はガラス片を浴槽の中に落とし、その写真を見つめながらむせび泣きました。
私の身体は傷を求めていましたが、傷つけることはできませんでした。
まだ必要なければ読まなくてもいい
自分も人生も嫌っている時、目を輝かせて人生を楽しんでいる人が目の前に現れれば、殺したい気分にもなるものです。
もしこの言葉の意味がわからないなら、まだ読まなくてもいいかもしれません。
この気持を抱いたことがないほど運良く愛情に包まれて育った人か、その殺意を他人から受けたこともない人のはずです。
つまり、自分自身が深く傷ついているわけでもなければ、周りにそういう人がいるわけでもない感じですね。
また、この本は「自己愛」をテーマに進みます。
自己愛とナルシシズムが明確に違うこと、自己愛がどのようにして世界への愛情に繋がっていくのかを知っている人にとっては、「いや、そんなの知ってるし。」(とはならないかもしれませんが)、あまり得られるものはないかもしれません。
まとめ:【読書レビュー】自分を愛せなくなってしまった人へ―自らに光をともす29の方法【深すぎる傷を癒やせるが閲覧注意】
いかがでしたでしょうか。
KindleUnlimitedで無料だったので読んでみました。Amazonのセクハラカテゴリでベストセラー1位だそうです。(こんなカテゴリあったんだ。さすがアマゾン。)
なかなかクセのある本ではありますが、
- 心に深すぎる傷を負っている人
- 心に深すぎる傷を負っている人とコミュニケーションを取る機会がある人
- 心に深すぎる傷を負っている人とコミュニケーションを取る機会に備えたい人
- 人生について考えたい人
- 普段ガチスピ系に触れておらず、世界観を広げたい人
- いつか自分が心に深すぎる傷を負ってしまったときの立ち直り方を知っておきたい人
- 自分の愛し方も他人の愛し方もわからない人
こんな人にはおすすめの本です。
スピリチュアルが嫌いな人は後半の29の方法だけでも役に立つものが見つかると思いますよ。
このブログでは毎日更新で「過去の自分が知りたかったこと」をジャンル問わず書いているので、もしあなたの役にも立ちそうなことを書いていたらまた読みに来てください。