副業は事業所得なのか雑所得なのか【事例を元に解説】
副業は事業所得なのか雑所得なのか【事例を元に解説】
サラリーマンや学生、バイトと兼業で副業を始める人が増えています。
「副業でも税金を計算して確定申告必要?所得20万でも住民税に注意!」でも書いたように確定申告や、少なくとも住民税の申告は必須です。
となると節税のために税金を抑えたくなるわけですが(節税するのとしないのでは、あまり稼げてなくても数千円〜数万円損する)、このときその副業が事業所得にあたるのか雑所得に当たるのかで経費計上できることが変わってきます。
今回は事業所得と雑所得の違いについて見ていきましょう。
青色申告に雑所得はない
「確定申告はメリットしかない青色申告一択!ただし注意点が2つあり」で青色申告のメリットを話しました。
しかし、メリットばかりの青色申告でも適用できるのは「副業でも税金を計算して確定申告必要?所得20万でも住民税に注意!」に書いてある10種類の所得のうち不動産所得と事業所得のみです。
そこで気になるのは副業は事業所得なのか雑所得なのか、です。
事業所得と雑所得の違い
国税庁のHPをみてみると、
事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業を営んでいる人のその事業から生ずる所得をいいます。
国税庁HPより
ただし、 不動産の貸付けや山林の譲渡による所得は事業所得ではなく、原則として不動産所得や山林所得になります。
と書いてあります。
要するに事業を営んでいれば事業所得としてOKというわけですね!
では事業を営んでいる事業者の定義とはなにか、こちらも国税庁のHPをみてみましょう。
「事業者」とは、個人事業者(事業を行う個人)と法人をいい、「事業として」とは、対価を得て行われる資産の譲渡等を繰り返し、継続、かつ、独立して行うことをいいます。
国税庁HPより
(1) 個人事業者の場合
個人事業者の場合、例えば、小売業や卸売業をしている人をはじめ、賃貸業や取引の仲介、運送、請負、加工、修繕、清掃、クリーニング、理容や美容といった業を営んでいる人はすべて事業者になります。さらに、医師、弁護士、公認会計士、税理士などの人も事業者になります。
(2) 法人の場合
株式会社などの会社、国、都道府県や市町村、公共法人、宗教法人や医療法人などの公益法人など、法人はすべて事業者になります。なお、法人でない社団又は財団で、代表者又は管理人の定めがあるものは、法人とみなされることにより事業者となります。
ふむふむなるほど。
「事業として」の定義が超ふわっとしてる!!!
なので多くの人は副業をメリットの多い青色申告をするために事業所得として申請するんですが、税務署が「いやいやこれは雑所得じゃね?」と言ってくると揉めます。
断固として事業所得と言い張るなら証拠が必要
揉めた結果裁判になった事例がこちら。
普通は税務署に「あなたの副業は雑所得っしょ!」と言われたら「ハイ、従います」なんですが、その判断を不服だと思った大学の准教授が裁判を起こしたんですね。
すべての行動の証拠品、たとえばどこどこに誰々といって、そのときに支払ったレシートなどの支払証明や写真、動画など常識的にそれらがあれば事業だと思えるようなあらゆるものを揃えておいて、「事業である」と言えればOKです。
まぁだいたい月収数万円しか稼げてなければ、基本的には税務署に「雑所得っしょ!」と言われると思って間違いないでしょう。
ただ、「事業である」という証拠を集めておいて、税務署から呼び出しを食らったときに十分に説明できるようにしておけば、サラリーマンの副業であっても事業所得が認められる事例はあるので、証拠集めと税務署に対するストーリー作りは大事ですね!
あらかじめ最寄りの税務署に「わたしの副業は事業所得になりますかねー?」と相談に行くとより確実に事業所得として申請できるでしょう。
副業は事業所得なのか雑所得なのかまとめ
- 青色申告は事業所得と不動産所得でしか使えない。
- 副業を雑所得として出すか事業所得として出すかは自由だが受理されるとは限らない。
- 月収数万しか稼げてなければ大抵雑所得になる。
- 正確な判断は税務署に聞きに行こう!
ということで、いかがでしたか。
事業所得として申請できるようになると節税面でかなりうまみが出てくるので、たとえ「雑所得っしょ!」と言われても事業所得が認められるようになるまで副業を続けていければ、かなりお得な生活ができるようになりますね!